「目の疲労感」「肩こり・腰のこり」の改善に効果大・ブルーベリーの眼精疲労に対する効果

梶本 修身  総合医科学研究所

臨床報告 ダイジェスト
"新薬と臨床" 別冊2000年1月10日号より

項目

要約

研究の主旨

対象

評価方法

試験方法

試験結果

考察・総括



近視が強いほど改善効果があらわれる

梶本 修身  総合医科学研究所
佐々木 憲一  ナチュラルウェイ株式会社
高橋 丈生  総合医科学研究所

臨床報告 ダイジェスト
"THE HEALTH CARE TIMES" 2002年3月10日号より

項目

要約

研究の主旨

対象

評価方法

試験方法

試験結果

考察・総括



眼精疲労にはほぼ100%の効果

葉山眼科クリニック院長  葉山隆一

「ブルーベリーは本当に目に効く」(現代書林)より抜粋

項目

眼精疲労の定義

従来の治療法

対象

評価方法

試験結果

考察・総括

眼精疲労にはほぼ100%の効果

葉山眼科クリニック院長  葉山隆一

眼精疲労の定義

健常者が疲れない仕事でも、容易に疲れてしまい、さまざまな症状を呈するのが「眼精疲労」です。

症状としては、目の疲れ、眼痛、かすみ、ものが二重にみえる、充血、涙目などがあります。また、肩凝り、頭痛、胃の不快感、悪心、吐き気などの症状をともなうこともあります。

従来の治療法

症状に合わせて、点眼薬、内服薬、などを投与します。

前述のようにVDTで起こる眼精疲労の一番の特効薬は、目を休めることに尽きます。目を酷使しないようにし、数日間休養すれば、たいていの眼精疲労は回復するものです。

しかし、ほとんどの人は、眼精疲労を感じながらも、それでも仕事を休むわけにはいかないという状況にあるのです。

対象

22歳から47歳までの30人。全員コンピュータの仕事に従事しています。つまりVDT作業による眼精疲労を起こしている人たちです。

評価方法

眼精疲労は、瞳孔の大きさで測ることができます。「ああ、今日は目が疲れた」「今日はややいいみたいだ」などといった「自覚症状」では、正確に測れません。

瞳孔はいわゆる「黒目」の部分で、ここを通って目に光が入っていきます。猫の瞳孔は明るいところでは細く絞られ、暗いところでは大きく開きますが、これは大きさを変えることによって明度を調節しているのです。人間も猫ほどではありませんが、周辺の明るさによって瞳孔の大きさを変化させています。

健康な20~40歳の成人の瞳孔の大きさは、4~6ミリです。ところが目が疲れると瞳孔は緊張を起こし、絞られます。被験者No.1の人などは2ミリにまで絞られているのがおわかりでしょう。(図2-1 〔眼精疲労〕視力と瞳孔の大きさの変化参照)

図2-1 〔眼精疲労〕視力と瞳孔の大きさの変化

〔眼精疲労〕視力と瞳孔の大きさの変化
〔眼精疲労〕視力と瞳孔の大きさの変化
試験結果

ブルーベリー摂取後は、ほぼ全員の瞳孔の大きさがアップしていることが一目瞭然でおわかりでしょう。先行きが心配された(?)No.1の人も2.0ミリから3.5ミリへと変化しています。そのほか、ほとんどの人が4~6ミリの正常値の範囲内に入ってきています。(図2-2 〔眼精疲労〕摂取後の瞳孔の大きさの変化参照)

視力も、全員が向上しています。眼精疲労が起こると、視力も低下しがちですが、それが取れたことで、その人本来の視力が出ているのです。(図2-3 〔眼精疲労〕摂取後の視力の変化参照)

図2-2 〔眼精疲労〕摂取後の瞳孔の大きさの変化

〔眼精疲労〕摂取後瞳孔の大きさの変化

図2-3 〔眼精疲労〕摂取後の視力の変化

〔眼精疲労〕摂取後の視力の変化
考察・総括

ここで意義深いのは、被験者全員にブルーベリーの服用効果が見られたということです。図2-2によってもそれはおわかりいただけるでしょう。

もちろん自覚症状的にも、全員が「肩凝りがなくなった」「目がすっきりした」など、改善を認識しています。つまりブルーベリーは、眼精疲労にほぼ100%効果があるといって過言ではないのです。

それも全員がそれぞれのコンピュータの仕事を続けながら、このような結果を導き出すことができたということは、きわめて重要だと思います。

先に「眼精疲労には休むのが一番だが、休めないことが問題である」と述べましたが、ブルーベリーは「仕事を続けながらも、眼精疲労を癒す」という効果があることを立証してくれたのです。

これはVDT症候群に苦しむ多くの人への朗報ではないでしょうか。

近視が強いほど改善効果があらわれる

梶本 修身  総合医科学研究所
佐々木 憲一  ナチュラルウェイ株式会社
高橋 丈生  総合医科学研究所

概要

受験期の児童に多く見られる調節性近視など広義の仮性(偽)近視者に対するブルーベリーエキスの視力回復効果を検討するため、有名進学塾に通う9歳から 12歳までの小学生約2500名の中から、過去に1.2以上であった5m視力が2年以内に1.0未満に低下し、医師より視力回復トレーニングを勧められていた者、あるいは目の酷使を注意されていた者63名を対象として、8週間の長期摂取試験を実施した。

その結果、被験者全体として有意な視力向上は認めなかったものの、摂取前の片眼視力が0.1~0.5であった者においては、左右ともに有意な視力回復効果が認められた。

また、同時に実施した目の疲労感や痛みなどの自覚症状評価においても著明な改善効果がみられ、フリッカーテストにおいても一部で有意な改善を認めた。視力回復無効例が約70%にみられたものの、約30%の症例において視力の回復が認められたことから、目の酷使により急激な視力低下をきたした学童期の仮性(偽)近視者において、ブルーベリーエキスの長期摂取が、軸性近視への進行および視力の悪化防止に対し有用であることが示唆された。

研究の主旨

眼性疾患患者に対する臨床的な研究は、著者らが1997年に実施した「精神疲労および眼精疲労を自覚する20名の患者を対象としたプラセボと二重盲験クロスオーバー法による摂取試験」が最初である。

大阪大学精神神経科および大阪総合医療センター眼科の協力を得て実施したその臨床研究は、ブルーベリーが眼精疲労を主訴とする眼科外来患者に対し、眼精疲労を有意に改善させる働きのあることを明らかにした。

ところで、慢性的な眼精疲労が、近視や乱視のリスクファクターであることは疑いのない事実である。

著者らの行った試験によって、ブルーベリーが眼精疲労の予防およびその加療の補助として有用であることが判明したが、この試験結果は、受験生など慢性的に眼精疲労を起こしやすい者における視力低下の予防においても、ブルーベリーが有用である可能性を示唆していた。

そこで本研究では、目の酷使によって視力低下を招いた学童におけるブルーベリーエキスの視力低下の予防効果を検討するため、2年以内に視力低下を指摘された9歳から12歳までの児童91名を対象として、ブルーベリーの8週間投与を行い、視力に対する改善効果を検討することとした。

対象

対象は、小学校の眼科検診あるいは眼科外来にて視力低下を指摘され、5m視力が2年以内に1.2から1.0未満に低下した者とした。

被験者の募集にあたっては、大阪屈指の中学受験進学塾である「阪神受験研究会」の協力を得て、塾生約2500名の中から、過去数ヶ月以内に、眼科医より視力回復トレーニングを勧められた者や目の酷使を注意された経験のある者を中心として、上記の条件を満たす者を抽出した。

その結果、上記の条件を満たし、かつ本人および家族の同意を得た被験者数は91名であった。そのうち、眼科医にて視力回復トレーニングをすでに行っていた 12名は検討の対象から除外した。また、摂取に関するコンプライアンスなど、あらかじめ設定した摂取基準に満たなかった者16名を除外した結果、検討の対象とした被験者数は63名であった。

63名の平均年齢は、10.5±0.82歳、男性41名、女性22名であった。また、視力低下に気づいてから本試験開始までの平均期間は5.3±4.5ヶ月間であった。

基礎的眼疾患を有する者は、生まれつき眼振のある者1名のみであった。全被験者の平均勉強時間は、学校の時間を除いて238分/日(塾の授業時間を含む)であり、テレビゲームをしている者は45名で平均26分/日であった。

評価方法

1.裸眼視力の測定

5m裸眼視力を摂取前後で測定した。

2.眼精疲労自覚症状調査

眼精疲労の自覚症状の評価は、中村(九州労災病院)らが全国労災病院眼科プロジェクトチームから発表した「眼精疲労評価方法に関する研究」に従って評価した(表1)。
評価に際しては、医師間で評価に差が出ないようあらかじめ問診マニュアルを作成し、さらに同一被験者の試験食品投与前と投与後は、同じ医師により評価をすることとした。

3.眼精疲労の測定

フリッカー値を摂取前と摂取後に測定した。試験食品摂取前と摂取後のデータが揃っているものを有効データとして統計処理を行った。

表1 眼精疲労自覚症状評価項目

(1) 目が疲れる

(6) 物がちらついて見える

(2) 目が痛む

(7) 肩、腰がこる

(3) 目がかすむ

(8) いらいらする

(4) 涙が出る

(9) 頭が重い

(5) 目が赤くなる

(10) 頭が痛い

中村他「眼精疲労評価法に関する研究」

試験方法

投与方法は、経口でブルーベリーエキスを錠剤化した食品を56日間投与した。試用サンプルは、インディナ(株)(Indena S.p.A.)とナチュラルウェイ(株)が共同開発した「ひとみの果実B&G(販売:ナチュラルウェイ(株))」を用いた。

本食品には、1粒 250mg中に25mgのブルーベリーエキス(アントシアニジン量として6.25mg)が含まれており、被験者には1回2錠、1日3回、計6錠/日(ブルーベリーエキス150mg/日、アントシアニジン量として37.5mg/日)を摂取させた。

試験結果

1. 5m裸眼眼力

表2、3に摂取前に片眼5mの裸眼視力が0.9以下であった被験者の摂取後の変化を示す。表からも明らかなようにブルーベリー摂取前に裸眼視力が 0.1~0.4程度であった者において、8週間のブルーベリー0摂取後、0.1~0.2程度の視力改善(向上)がみられる症例が多かった。

特に、摂取前の視力が0.1あるいは0.2の者においては、過半数において視力の改善がみられた。一方、ブルーベリー摂取前の視力が0.6~0.9であった者においては、数症例において視力の回復がみられたが、逆に視力低下が進行している症例もあり、全体として明らかな効果を認めなかった。

以上、全被験者においては、ブルーベリー摂取後に有意な視力の改善(向上)はみられなかったが、摂取前に右裸眼視力が0.4以下であった者37名、および左裸眼視力が0.4以下であった者33名においては、約30%の者に視力の改善がみられ、摂取後に有意な視力改善効果が確認された(Wilcoxon test:p<0.05)。

表2 仮性近視者に対するブルーベリー摂取後の裸眼5m視力の変化(右)

摂取前
裸眼
視力

合計
人数

摂取後の裸眼視力変化(%)

仮性近視の進行(悪化)

不変

仮性近視の改善

-0.2>

-0.2

-0.1

0

0.1

0.2

<0.2

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

7

7

15

8

6

4

4

2

3

0

0

0

0

16.3

0

0

0

33.3

0

0

6.7

12.5

0

25

25

0

33.3

0

0

0

25

50

0

25

50

0

14.3

42.9

73.3

25

33.3

75

0

0

0

42.9

28.6

6.7

12.5

0

0

50

0

33.3

28.6

14.3

6.7

12.5

0

0

0

0

0

14.3

14.3

6.7

12.5

0

0

0

50

0

表3 仮性近視者に対するブルーベリー摂取後の裸眼5m視力の変化(左)

摂取前
裸眼
視力

合計
人数

摂取後の裸眼視力変化(%)

仮性近視の進行(悪化)

不変

仮性近視の改善

-0.2>

-0.2

-0.1

0

0.1

0.2

<0.2

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

2

10

9

12

8

5

2

2

3

0

0

0

0

0

20

0

50

0

0

0

0

0

25

20

0

0

0

0

0

11.1

0

25

40

0

0

33.3

50

60

44.4

41.7

25

20

50

50

33.3

0

40

33.3

41.7

12.5

0

50

0

33.3

50

0

11.1

16.7

12.5

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

2. フリッカーテスト

表4にブルーベリー摂取によるフリッカー値の推移を示す。ブルーベリーの投与によって、フリッカーテスト上昇法でフリッカー値が高くなる傾向を認め、生理学的検査においても眼精疲労を改善していることが示された。(paired t test:p<0.1)。

3. 各自覚症状項目別改善度

それぞれの自覚症状項目別の症状の推移を、表4に示す。眼精疲労自覚症状10項目のうち、「目の疲労感」、「目の痛み」、「目のかすみ」、「なみだ目」、「目が充血する(赤くなる)」、「肩こり」、「イライラ」、「頭痛」の8項目で、ブルーベリー摂取により改善効果を認めた(Wilcoxon test:p<0.05)。

中でも、「目の疲労感」、「目の痛み」、「目のかすみ」、「肩こり・腰のこり」の症状については、顕著な改善効果が示された(Wilcoxon test:p<0.01)。

表4 ブルーベリー摂取によるフリッカー値と自覚症状の変化

項目

摂取前

摂取後

有意差

フリッカー値

下降方

上昇方

39.3±3.3

37.9±2.6

39.4±2.9

38.4±2.3

n.s.

p<0.1

目の疲労感

1.49±1.02

0.87±0.90

p<0.1

目の痛み

0.68±1.01

0.49±0.86

p<0.01

目のかすみ

0.79±1.09

0.51±0.86

p<0.01

涙目

0.39±0.77

0.30±0.68

p<0.05

目の充血

0.54±0.76/p>

0.47±0.69

p<0.05

ちらつき

0.40±0.68

0.30±0.61

n.s.

二重に見える

0.52±0.95

0.49±0.86

n.s.

肩こり・腰のこり

1.33±1.31

1.04±1.14

p<0.01

イライラ

0.86±0.99

0.77±0.96

p<0.05

頭重感

0.51±0.78

n.s.

頭痛

0.53±0.99

0.41±0.81

p<0.05

総合的な自覚症状

1.47±0.89

1.12±0.77

p<0.01

Wilcoxon test
考察・総括

仮性(偽)近視は、狭義では、調節痙攣によって一時的に近視の状態になったものを指す。原因としては、中毒や外傷などがあげられる。

しかし、今回対象とした被験者は、いわゆる勉強や読書、テレビゲームなどの目の酷使により、毛様体筋が異常に緊張して近視の状態を呈していることが考えられる調節性近視であり、いわゆる広義の仮性(偽)近視の状態と考えられる。

実際、学童期における教育熱の高い我が国においては、この仮性近視の状態にある児童が非常に多いことが知られている。

近視には、調節性近視と軸性近視があり、調節性近視が徐々に進行して軸性近視に移行することが多い。今回の研究の対象とした被験者には、調節性近視、すなわち広義の仮性近視の状態にあった者が多かったと推察される。

今回の試験では、ブルーベリー摂取前の5m視力が0.1~0.5の者に対して、摂取後に視力改善効果が認められた。視力は、その日の体調などにより多少左右されるため、0.1程度の測定誤差はあるものとされる。

しかし、少なくとも摂取前に5m視力が0.5以下の者において、両眼ともに、わずかではあるが視力の有意な改善がみられたことは、実際に、ブルーベリーの摂取が視力の回復に効果的に作用していることを示唆していた。

また、この結果は同時に、視力が0.1~0.5程度の近視においても、少なくとも受験期の学童など目の酷使により急激な視力低下を招いた学童においては、ある程度の視力回復が可能であることを示していた。

また、ブルーベリーの有効成分である、アントシアニジン配糖体(VMA)は、網膜上に存在するロドプシンの再合成を促進することが知られている。ロドプシンは光によって変化を起こす性質を利用して、外界を画像として網膜上に取り込み視覚認知する上で重要な働きを担っている。

しかし、過度の長時間にわたる光刺激、たとえばパソコンモニターやテレビの見過ぎなどが、このロドプシンの分解を促進し、結果としてロドプシンの不足を起こし、暗視順応など視覚機能の低下を引き起こす。

今回、対象とした被験者にもテレビゲームをしている者が少なくなかった。また、最近では小学校からパソコン教育が授業に取り入れられており、テレビモニターを凝視する時間も多くなってきている。そうした状況において、ブルーベリーはロドプシンの合成を促し、速やかに回復させる働きのあることが示されている。

今回の試験結果でも、プラセボ効果が含まれているとはいうものの、目の疲れなどの自覚症状に対し非常に高い改善を認めた。仮性近視、調節性近視が目の酷使など疲労から起こることを考慮すると、仮性近視や調節性近視の発症予防に対してもブルーベリーが有効であることが示唆された。

今回、調査に使用したアントシアニジンエキスは、1日量として37.5mgの投与としたが、この服用量はこれまでの実験用量としては半量程度であり、成人に対して効果の発現が期待できる量としては少なかった。

しかし、対象が小学生であったことを考慮すると、妥当と考えられる範囲の量であり、実験結果からも、ある程度の効果を発現するには十分な量であることが推察された。

また、8週間投与を行った全例において副作用や悪化例がみられなかったことは、ブルーベリーの高い安全性を示していた。

また、被験者の意志により8週間定期的な服用を行わなかった症例においても、副作用によって中止した奨励はなく、安全性については高く評価できるものと考えられた。

以上より、ブルーベリーの長期摂取が、学童期の受験生に多くみられる調節性近視者、仮性近視者に対し、近視の進行を予防する効果があることが推察された。

安全性も非常に高いことから、目を酷使する受験生やVDT作業者における一時的な視力低下に対し、ブルーベリーが極めて有用な機能性食品であることが示された。

「目の疲労感」「肩こり・腰のこり」の改善に効果大・ブルーベリーの眼精疲労に対する効果

梶本 修身  総合医科学研究所

概要

ブルーベリーの"視力改善作用"は天然赤色色素成分であるアントシアニジンにある。海外ではブルーベリーの機能性研究が進んでいて、数多くの生理作用を有することが確認されている。

近年、日本においても眼精疲労、仮性近視などの患者を対象とした研究が始まっており、"目の健康に役立つ健康食品"としての期待も高い。

今号では、梶本修身医師(大阪外語大 保健管理センター 助教授)によって発表された「ブルーベリーの眼精疲労に対する効果」に関する研究報告を紹介する。

研究の主旨

本研究は、日頃、精神疲労及び眼精疲労を自覚する患者20名を対象に、プラセボを対象とした二重盲験をクロスオーバー法による群間比較実験を実施した。

眼精疲労度の評価においては問診による自覚症状の改善度だけでなくフリッカーテストなど生理学的な分析を同時に行うことにより、より客観的な分析を試みることとした。

眼精疲労は局部的な「目の疲れ」よりむしろ「精神疲労」として自覚されるケースが多い。臨床の場においても、眼精疲労の強い患者が不眠や抑うつ気分などのうつ症状を訴えることが多い。そこで、精神疲労をビジュアルアナログスケールを用いて評価し、眼精疲労の尺度とされるフリッカーテスト値との相関を検討することにより、眼精疲労と精神疲労の関係を検討した。

対象

大阪市立医療センター眼科を受診し眼精疲労を訴えた患者26名のうち、今回の臨床調査に規定の期間参加し、最終評価できた患者20名。男性6名、女性14名。職業別ではVDT作業従事者6名、会社員5名、学生4名、その他5名。

評価方法

眼精疲労の自覚症状の評価は、中村ら全国労災病院眼科プロジェクトチームから発表された「眼精疲労評価方法に関する研究」(表1)に従って評価した。

評価に際しては、医師間で評価に差が出ないようあらかじめ問診マニュアルを作成し、さらに同一被験者の試験食品投与前と投与後は、同じ医師により評価することとした。

表1 眼精疲労自覚症状評価項目

(1) 目が疲れる

(6) 物がちらついて見える

(2) 目が痛む

(7) 肩、腰がこる

(3) 目がかすむ

(8) いらいらする

(4) 涙が出る

(9) 頭が重い

(5) 目が赤くなる

(10) 頭が痛い

中村他「眼精疲労評価法に関する研究」

試験方法

試験は、プラセボとのダブルブラインド、クロスオーバー法を用いて実施した。プラセボは、試験品と全く外観と味覚が同じ物を製作し、被験者及び投与を行った医師にはどちらがプラセボであるかはわからないように配慮した。

投与方法は、経口でブルーベリーエキス及びプラセボとも28日間投与を行った。あらかじめ被試験者26名をA群、B群に13名ずつ無作為に分け、A群ではブルーベリーエキスを28日間投与した後プラセボを28日間投与し、B群ではプラセボを28日間投与した後ブルーベリーエキスを28日間投与した。

ブルーベリーエキスは、ナチュラルウェイ(株)製の高濃度アントシアニジン含有軟カプセル(1粒中アントシアニジン量として31.25mg、ブルーベリーエキスとして125mg)を、用い1日2回(アントシアニジン量として1日62.5mg)の投与を実施した。

試験結果

眼精疲労自覚症状10項目のうち、「目の疲労感」「目のかすみ」「物がちらついて見える」「肩こり・腰のこり」「頭が痛い」の6項目で、ブルーベリーエキス(BB)投与群がプラセボ投与群と比較して優位に改善効果を認めた。中でも「目の疲労感」「肩こり・腰のこり」の症状については、ブルーベリーエキス投与群において顕著な改善効果が示された。

眼科主治医が評価した眼精疲労全般的改善度の結果ではブルーベリーエキス投与群では、改善以上が20例中14例にみられ、悪化傾向を示した症例はみられなかった。中でも、前投与としたプラセボで効果が見られなかった8例において、ブルーベリーエキス投与に切り替えた結果5例に改善効果を認めた。

表2 自覚症状改善率

自覚症状

試験品

有症状
症例数

改善度数
ひどく改善・改善・不変・悪化・ひどく悪化の順

改善率

有意差

目の
疲労感

BB投与

プラセボ

20

20

6

1

8

6

5

6

1

7

0

0

70%

35%

p<0.01

目の
痛み

BB投与

プラセボ

5

5

3

0

0

1

2

4

0

0

0

0

60%

20%

N.S.

目の
かすみ

BB投与

プラセボ

11

11

3

1

5

1

4

3

0

1

0

0

73%

18%

p<0.05

涙が
出る

BB投与

プラセボ

5

5

0

0

1

0

4

5

0

0

0

0

20%

0%

N.S.

目が赤い
(充血)

BB投与

プラセボ

8

8

1

2

1

2

6

3

0

1

0

0

25%

50%

N.S.

目の
ちらつき

BB投与

プラセボ

10

10

2

1

6

1

1

5

1

3

0

0

80%

20%

p<0.05

二重に
見える

BB投与

プラセボ

2

2

1

1

0

0

1

1

0

0

0

0

50%

50%

N.S.

肩こり
筋肉痛

BB投与

プラセボ

17

17

7

1

5

3

4

7

1

6

0

0

71%

24%

p<0.01

イライラ

BB投与

プラセボ

13

13

3

0

6

2

4

11

0

0

0

0

69%

15%

p<0.05

頭重感

BB投与

プラセボ

13

13

4

2

5

0

4

8

0

3

0

0

69%

15%

p<0.05

頭痛

BB投与

プラセボ

5

5

1

1

0

1

3

3

1

0

0

0

20%

40%

N.S.

考察・総括

ブルーベリーに含まれるアントシアニジン色素は、網膜上に存在するロドプシンの再合成を促進することはよく知られている。

ロドプシンは、外界を画像として網膜上に取り込み視覚認知する上で重要な働きを担っている。しかし、パソコンモニターの見過ぎなどによる過度の長時間にわたる光刺激などが、ロドプシンの分解を促進することでロドプシン不足を引き起こし、視覚機能の低下を引き起こす。

今回、眼精疲労を訴える患者で、ブルーベリーエキスの投与によって著明な改善効果が示された。つまり、ブルーベリーエキスに含まれるアントシアニジン配糖体が、ロドプシンの再合成を促進させ、結果として低下していた視機能を回復させる働きを有している可能性が示唆された。

商品一覧
佐々木社長ブログ
催事・イベントカレンダー